触れられないけど、いいですか?
なんて考えつつ、ドキドキと胸を高鳴らせながら彼の顔をチラ、と見上げる。
……と。彼は何故か私から目を逸らし、顔も完全に横を向いて、無表情。
……これから結婚式を控えている人間の表情には見えないような。ドキドキしているのは私だけ? この後の結婚式が楽しみなのもまさか私だけ?
「……翔君?」
恐る恐る名前を呼ぶと、彼はハッとして私の顔を見る。
「ごめん、何?」
「えっと、何というか……」
なんだか上の空だった? なんて聞かずに思わず口ごもっていると……。
「あー、やっぱ無理!」
「えっ⁉︎」
やっぱ無理、って何が⁉︎ ま、まさか私との結婚が⁉︎ 一体何でーー⁉︎
……と思い、パニックになりかけたけれど。
「さくらが、あまりに可愛過ぎて、直視が無理」
「へっ?」
「いや、可愛いと言うより綺麗、かな? 凄く眩しい」
眩しい、なんて。
それは私が翔君に対していつも思っていたことだ。
太陽みたいに輝いていて、温かくて。でも手を伸ばしても届かない、そんな存在だと感じていた。
……でも、彼も私のことを眩しいと思ってくれて。
まだ、胸を張って彼の隣に並ぶのは躊躇ってしまうこともあるけれど。
それでも、今日くらいは。
それに、手を伸ばせばいつだってすぐそこに彼がいてくれる。届かない存在なんかじゃ、ない。
だって、これから夫婦になっていくのだから。
「男性恐怖症は、結局まだ治っていないけどね……」
思わず、ポツリと呟く。
翔君も色々と協力してくれたけれど、結局私は今も、男性に触れるのは怖い。お義父様と握手をすることは出来るようになったけれど、電車には未だに乗れない。
……と。彼は何故か私から目を逸らし、顔も完全に横を向いて、無表情。
……これから結婚式を控えている人間の表情には見えないような。ドキドキしているのは私だけ? この後の結婚式が楽しみなのもまさか私だけ?
「……翔君?」
恐る恐る名前を呼ぶと、彼はハッとして私の顔を見る。
「ごめん、何?」
「えっと、何というか……」
なんだか上の空だった? なんて聞かずに思わず口ごもっていると……。
「あー、やっぱ無理!」
「えっ⁉︎」
やっぱ無理、って何が⁉︎ ま、まさか私との結婚が⁉︎ 一体何でーー⁉︎
……と思い、パニックになりかけたけれど。
「さくらが、あまりに可愛過ぎて、直視が無理」
「へっ?」
「いや、可愛いと言うより綺麗、かな? 凄く眩しい」
眩しい、なんて。
それは私が翔君に対していつも思っていたことだ。
太陽みたいに輝いていて、温かくて。でも手を伸ばしても届かない、そんな存在だと感じていた。
……でも、彼も私のことを眩しいと思ってくれて。
まだ、胸を張って彼の隣に並ぶのは躊躇ってしまうこともあるけれど。
それでも、今日くらいは。
それに、手を伸ばせばいつだってすぐそこに彼がいてくれる。届かない存在なんかじゃ、ない。
だって、これから夫婦になっていくのだから。
「男性恐怖症は、結局まだ治っていないけどね……」
思わず、ポツリと呟く。
翔君も色々と協力してくれたけれど、結局私は今も、男性に触れるのは怖い。お義父様と握手をすることは出来るようになったけれど、電車には未だに乗れない。