特別な日常〜Xmas限定短編集〜
好きって言えばいいじゃないって?
そんなことできない。
私とは単なるセフレ関係で成り立ってるんだから
その関係に終わりを告げようと何度も思った。
だけど、言う直前に自分の欲が邪魔をする。
部長が好きだから。
ただやるだけの関係だけれど。好きなんだもん。
でもそんなことは言わないし言えない。
嫌われたくないから。
でももう、限界。
私の心はボロボロに傷ついていた。
部長を好きになって何度も眠れない夜を過ごした。
もう潮時なのかもしれない。
「いやです。
部長…もうこの関係終わりにしましょう」
涙をこらえながら絞り出した声。
「失礼します」
心変わりしないように早くにこの場を出よう。