この愛を純愛と呼んでもいいのなら
凛桜: こんばんは、初めまして凛桜です。
みなさんお飲み物はお決まりですか?

薄暗い店内で今日もいつも通りお客様の飲み物をつくり、そして会話を楽しむ。
たまに羽目を外して飲み過ぎることもあるが私はこの仕事を始めてから3年間辛いと思うことは少なくやりがいを感じながら働いていた。
キャバクラというと女の子同士のドロドロした関係をイメージする人も少なくないと思う。もちろん、
私のお店にも全く無い訳では無いが他のお店に比べれば、大したことはなく、3年目の私には気にもならなかった。

21歳の秋。
いつも通り席に着いた

凛桜:こんばんは。初めましてですかね?
凛桜です、よろしくお願いします

翔匠(しょうた):おぉ、初めまして!
お前指名な!

凛桜:え?いいんですか?

指名されると、その女の子はその席でそのお客様が帰るまで隣でお相手することになる。
普通なら少し会話を楽しみ、お酒を飲んで、気の合う女の子や好みの子を指名するのに翔匠は私が席に着いた瞬間に指名をくれたのだ。

翔匠:いいの、いいの。
俺どこの店でも最初に席着いた子に
指名入れてるから。

少し出ているお腹を見ると30代半ばくらいだろうか、翔匠は落ち着いた雰囲気で淡々とそう話した。
これが私と翔匠の出会い。
< 2 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop