世界でいちばん ~最高の愛~
ついて行った先にあったのはホストクラブ。

男は私を席に座らせてくれた。

そして。


「改めて俺、琉架!おねぇさんは?」

「春妃」

「春妃ちゃんか!可愛い名前だね。」

初めて言われた可愛い名前なんて。

その後も琉架は私に笑顔を向けながら話しかけ続けてくれた。


私は琉架から向けられた笑顔が眩しすぎて俯いてしまった。

でも何でだろ。ただ話しかけられているだけなのにその時間はすごく幸せな時間だった。


そんなこんなでお店の閉店時間が近づいてきた。


「お店終わっちゃうけど、どうする?」

琉架が聞いてきた。

「どうもしないよ。帰る場所もないし。でも大丈夫だよ。多分。どうにかなるよ。」


琉架は深く考えこみ口を開いた。


「もしよかったら俺ん家来る?」

「え…?いいよ。誰にも迷惑かけたくないし。でも心配してくれてありがとう。私は一人でも大丈夫だから。」


私はそう答えた。


「俺は全然迷惑じゃないけど。逆に一人でこの街に置いてく方が不安だよ。あ…~でもそうだよな。こんな夜遅く男の家行くなんて怖いもんな。」


琉架は出会った時から優しかった。


相手はホスト。相手はホスト。私は何度も自分に言い聞かせ

琉架について行くことにした。
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