兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「離れてしまったら、家族じゃなくなるのか……?
家族って、そんなもんじゃないだろ」



「だけど……お兄ちゃんいなくなったら、寂しいよ」



「もう一生会えなくなる訳じゃないんだし……
そんな顔すんなって」



お兄ちゃんは優しく笑ってくれたけど、やっぱり私は寂しかった。



お兄ちゃんに、東京なんか行ってほしくない。



だけど、一生懸命勉強してるお兄ちゃんに、そんなことは言えなかった。



「東京に行っても、俺がお前の兄ちゃんなのは変わらないだろ」



「そうだよね……
お兄ちゃん、勉強頑張って」



私は自分の気持ちを押し殺して、笑顔を作った。
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