兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「お兄ちゃんに、変なこと言っちゃって……」



あの日のお兄ちゃんの熱いキスと、私の肌に触れていく感触を思い出す。



私たちは、兄妹として許されないことをした。



「あの時言ったことは、全部忘れて……」



お兄ちゃんは私に背を向けたまま、机に向かって鉛筆を動かしている。



「もうわがまま言わないから……
要には、ずっとお兄ちゃんでいてほしいの。

私の家族は、お兄ちゃんたちしかいない。
お兄ちゃんとは、ずっと家族でいたいの」



私の言葉に、やっとお兄ちゃんは振り返った。
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