兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「俺、美衣が料理してるとこ見るの好きだな……」



恋人として付き合うようになってから、誠也は大胆になってきた気がする。



いきなり腰に手を回されて、私は鍋のフタを落としそうになってしまった。



「駄目だよ、誠也。
まだ料理中……」



「後は、煮込むだけじゃないの?」



「そうだけど……」



私が鍋のフタを閉めたのを確認すると、誠也は私の手を握った。



「美衣、おいで……
俺は、こっちの味見がしたい」



そう言って誠也は、キッチンに立ったまま私に唇を重ねた。
< 79 / 239 >

この作品をシェア

pagetop