兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
誠也と一緒にどこに行こう。



帰りに私は近所の本屋に寄って、県内の観光スポットが載っているガイドブックを立ち読みしていた。



水族館も、遊園地も、プールも、みんなお兄ちゃんと行ったことがある場所ばかりだ。



これじゃ誠也といても、またお兄ちゃんと行った時を思い出してしまう。



どこか遠いところへ行きたい。



私は県内のガイドブックを棚に戻して、ふとお店の外に目をやった。



「お兄ちゃん……」



お店の前の道を、お兄ちゃんは女の人と一緒に歩いていた。


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