俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「まさか……」

「実家にあったお前の荷物だ。お義母さんとお義姉さんが協力してくださった」

その返答に絶句する。


嘘でしょ、ありえない! 


言われてみればここ最近、やたらと荷物を整理しなさいと言われていた。


まさかこのためだったなんて……ああもう、この人はどこまで用意周到なんだろう。


「家具は……」

「もちろん新しいものを用意してある。実家のものは念のためそのままにしていただくようお願いしてある」


それは一年後のため? 

ああ、まただ。

胸の奥にチクリと刺さる小さな棘。

この痛みを感じるのはもう何度目だろう?

 
「後できちんとお互いの両親に入籍の報告をしよう」

私の指に自身の指を絡ませた彼が、優しく私の目を覗き込む。


「……なんでそんなに嬉しそうなの?」

するりと無意識に零れた言葉。

慌てて片手で口を押えるがもう遅い。


「俺がこの日をどれだけ待っていたと思う?」

質問に質問で返されて、返答に窮する。


待っていた? 


「いつかお前がその答えに気づくといいんだが」

眉尻を下げ、ハチミツのように甘い声が私の心を容赦なく揺さぶる。


大きな手がそっと私の髪を梳く。

何度も繰り返された仕草なのに、鼓動が暴れるのを抑えられない。
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