俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「今日からはずっと一緒だ。もちろん寝室もな」

「寝室?」

「夫婦なんだから当たり前だろ」

「き、聞いてない」

「今、初めて言ったからな」

「そんな!」

「お前が俺を好きになるのをただ待つのは、性に合わない。無理強いはしないが、アピールする機会は必要だろ? ちなみに一応お前の部屋は用意してある」

妖艶な眼差しが真っすぐに私を射抜く。


こんなのは反則だ。

こんな言い方をされたら了承するしかできなくなる。


私があなたを好きになったら、困らないの?

恋しい人がほかにいるんじゃないの?


手を引かれ、案内されたのはリビングの奥にある日当たりの良い、七帖ほどの部屋だった。

「ここが、一応お前の部屋」


“一応”と言う単語に妙に力が入っていたように感じるのは気のせい?


真っ白なフローリングに、大きなふたつの引き違い窓。

書き物机の小ぶりなソファまでも用意されている。

部屋のすぐ手前には大きめのウオークインクローゼットまであった。


「こんな素敵なお部屋を使わせてもらっていいの?」

「お前以外に使う人間はいない」

即座に言い返される。


「あの奥の扉は?」

部屋の一番左奥にもドアがあった。


「ああ、あの奥は寝室だ」

「寝室だけ別なの?」

「寝室を挟んで俺の書斎とお前の部屋が並んでるからな」

見惚れそうな微笑を浮かべて説明してくれる夫になんて言えばいいのかわからない。

とんでもない配置に目を見開く。


「寝る場所はひとつだと言っただろ?」

「私はここで眠らせてもらっても……」

「それを俺が許すと思うか?」

三日月形に目を緩める采斗さんが恨めしい。


「早く俺を好きになれよ?」

――やっぱりこの結婚は早まったかもしれない。
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