俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「ティアラは甘いものが苦手な当社副社長の嗜好から生まれた商品なんですよ」

「おや、そうだったんですか」

補足説明をする如月さんに、役員が相槌を打つ。


「おかげで心置きなく紅茶を楽しめるようになり、商品を開発してくれた社員に感謝しています」

にっこりと副社長が麗しい微笑を如月さんに向ける。

ふたりの息の合った姿に痛いくらいに胸が締めつけられた。


あなたが言ってくれた『好き』は本当に私だけのもの? 

如月さんへの気持ちではないの?

疑心暗鬼になってはいけない、わかっているのに。


和やかな雰囲気の場なのに、指先がどんどん冷たくなっていく。

氷塊を呑みこんだかのように心の中がゆっくりと凍りついていく。


しっかりしなさい、今は仕事中よ。


必死に自分に言い聞かせる。

無理やり微笑みを貼り付けた頬が痛い。


この恋も告白も後悔はしない、していないのに。

こんな調子で私はこれから先、彼とともにいられるの?


この想いを貫く自信が、少しずつ揺らいでいくのを感じた。
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