俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
十月半ばの今日、プレゼンテーションの日を迎えた。

もちろん競合相手である藤堂商事も参加している。


「緊張しなくても大丈夫。お前ならきっと立派にできる」

出勤の身支度を整えた夫に声をかけられた。

今日の彼は細かいストライプが入った明るい紺色のスーツを身に着けている。


「うん……」

そう言って夫は私を広い胸の中に閉じ込める。

その温かさに勇気をもらった。


上司とたくさんの仲間に支えられたプレゼンテーションはおおむね成功だった。

先方は自動販売機でのラベル作成に大変興味をもってくれた。

さらに家族全員が楽しめて満足できるという点を大いに気に入ってもらえた。


こんなに張り詰めた場を何度も経験している副社長と如月さんにはもはや尊敬の気持ちしかない。

ライトグレーのパンツスーツを身に着けた如月さんは先方の鋭い質問にもさらりと答え、いつも以上に凛としていた。

この人のようにいつか私もなれるだろうか。


「如月さん、とても興味深い企画でした」

プレゼンテーション終了後、商業施設の開発会社役員がチーフに声をかけた。

「ありがとうございます」

「ティアラがどんな商品に生まれ変わるか楽しみにしています」

「ご期待に添えるよう全力を尽くします」

副社長が後を引き取る。
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