俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
翌日。

目覚めると私はなぜか寝室のベッドにひとりでいた。


あれ、私……?


身体を起こし、瞬きを数度繰り返す。

次第にはっきりしてきた頭の中に昨夜の記憶が蘇る。


病院の検索をしながら、いつの間にか眠ってしまったの?


きっと彼が私をここに運んでくれたのだろう。

その瞬間、ハッとする。


検査薬……!


一応彼にわからないように片付けていたけれど、気づかれていないだろうか。

もしくはスマートフォンの画面が目に入ったりはしていないだろうか。


ベッドから降りて自室へ向かおうとすると、寝室のドアが開く音がした。

「詠菜、起きたのか?」

すでにスーツを身に着けた夫が声をかける。


「あ、采斗さん、おはよう」

「うたた寝するなんてどうしたんだ? そんなに仕事が忙しいのか?」

「う、ううん。昨夜は運んでもらってごめんなさい」

「それは構わない。どこか具合でも悪いのか?」

「全然、大丈夫」


一瞬彼に妊娠を告げようか迷う。

けれどこんな朝の忙しい時間帯に話す内容ではないと思い直す。


「今日は札幌だよね、気をつけてね」

「ああ。それがほかの視察も入ってしまって帰るのは明後日の夜になるんだ」

「そうなの。無理はしないでね」

「ありがとう。詠菜、帰ってきたら話がある」


和やかな雰囲気を一転して真剣な声音を響かせる。
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