俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「詠菜以外とは婚約も結婚もしない。お前以外の妻はいらない」

「どうして……」

「お前の質問にひとつ答えてやる」

「質問?」

「なんでプロポーズしたのか」

「え……?」

「お前は頭の中の考えと表情が直結してるからな」

「どういう意味ですか?」

「裏表がなくてわかりやすい」

……まったく褒められている気がしない。


「ほら、その顔。ここに皺が寄っている」

すっと長い指がトン、と私の眉間を押す。


「俺と祖母は好みと考え方がよく似てるんだ。祖母はお前をものすごく気に入っているからな。俺を全力で応援すると言っていたぞ?」

「百合子さんが?」

「ああ、俺の説得で結婚を了承してもらえないなら、自分で懇願しに行くってな」

「こ、懇願って……」


嘘でしょ? 

会長夫人に説得されるなんてありえない。

それこそ恐れ多い。


「お前にもお前の両親にも納得してもらえるまで俺と一緒に説明に伺うって話してたぞ」

「なんでそこまで……」

「祖母と俺が同時に気に入る女性は今までいなかったからな。しかも祖母は最近身体が弱ってきてるからな……気弱にもなってるんだろ」

「百合子さん、なにかご病気を患われているんですか?」

「年齢が年齢だからな。今は大丈夫だが、自分が元気なうちに孫を結婚させたいと願っているんだ」


あんなにお元気そうにみえるのに……そういえば先日のデパートでの買い物でも少し疲れていらっしゃったよね……。


百合子さんの話に心が揺さぶられる。

心なしか、副社長の声にも張りがない。
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