俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす～お前は誰にも譲らない～

緊張の日野原家でのご挨拶を終えた半月後、私が以前に提出した企画が採用されたと朝礼で発表された。


「詠菜さん、おめでとうございます！」

真理子ちゃんが祝いの言葉を贈ってくれた。

「あ、ありがとう……」

「よかったな。これから始まる新規プロジェクトに参加するように」

「はい！」

課長からの嬉しい業務命令に思わず弾んだ声が出た。


「おめでとう。お前の力が認められたんだ」

「ありがとうございます……！」

一度は携わりたいと願っていた仕事ができるなんて信じられない。

嬉しさと期待で胸が震える。


「皆も聞こえたな。道木が新規プロジェクトに参加する間、仕事を割り振るが頼むぞ」

「もちろんです。詠菜さん、頑張ってきてくださいね！」

頼もしい後輩たちの声に泣きそうになる。

それぞれの仕事で手一杯なはずなのに、口々に激励の言葉をかけてくれる総務課の皆の優しさに胸がいっぱいになった。


朝礼が終わり、席に着いた途端、見計らったかのように内線電話が鳴り響いた。


『詠菜、よかったわね！　おめでとう』

「雛乃、ありがとう」

『朝礼で聞いて、もう嬉しくて。企画内容を読んだけど、すごく面白そうだったわ。今回のプロジェクトは副社長も会議に参加するらしいから頑張りなさいよ』