一匹狼と野良猫。


自殺を図ろうとした。



いつの頃だっただろうか。



『自殺』という言葉は当時は知らなかったが

『死』を感じる事はたくさんあった。



包丁でお腹を引き裂こうとした。

それを母に見られ、何度も何度もぶたれた。

『お前がいなきゃ金が貰えない。』と。



別の日にはベランダから飛び降りようとした。

父に気づかれ逆上し、足を掴まれて

ベランダの柵の外に逆さまに宙吊りにされ

『死にたきゃ死ね。』と。

< 162 / 624 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop