~ジラソーレ・ひまわり~(礼文島から愛を込めて)
4月はまだ、寒い日が多い。
観光客もまばらだった。
夏海はフェリーが着く度、颯太が来るんじゃないかと、仕事が手につかなかった。

颯ちゃん…。何処かで元気でいるの?

僕達は、ずっと繋がっている。必ず礼文へ行くよ。

颯太の声が、今にも聞こえそうな気がした。


それからフェリーを、何度となく見送った。


少し、暖かさを感じてきたある日…、ケータイが鳴った。夏海は、急いでケータイを開いた。颯太からのメールだった。


《夏海、心配かけてごめん。今、バイクでそっちへ向かっている。
また、連絡するよ。》


颯ちゃん…、元気でいたのね。良かった。夏海は、体の力が一辺に抜けた。


電話をしたが、もう繋がらない。夏海は、メールを返信した。


《颯ちゃん、元気で良かった。心配していたの。今、どこにいるの?》

そして、返事を待った。
夜になって、颯太から返事がきた。

《夏海、僕はもう北海道にいる。》

夏海は、それを読むとすぐ、電話をした。


「颯ちゃん…、」

「夏海、元気だった?良かった。もうすぐ会える。」

「颯ちゃん、会いたい。心配してたの。」


「夏海、ごめん。僕は、あれから色々あって結局また、放浪の旅してるのさ。僕には、これが似合ってるのかもしれない。」

「颯ちゃん、私のせいで…、私のせいだわ。あの日の事、匠から聞いてるの。颯ちゃんが会社を辞めたのも…。」


「夏海のせいじゃない。僕が勝手に辞めたんだ。不甲斐ない奴だと思うかい?」


「どうして…そんな事ないわ。颯ちゃんは、ちゃんと約束を守って、礼文に来てくれる。」


「今日は留萌にいるんだよ。後少し、もうすぐ会える。夏海、早く会いたいよ。」


「颯ちゃん、スキー場へ働きに行ったって聞いた。ずっと働いていたの?」


「ああ、母さんにも少しだけど、仕送りしてたんだ。」


「じゃあ、ずっと家へ帰ってないの?」


「うん、ずっと…。」


「颯ちゃん…。」

「夏海、また会ってから話すよ。話す事が、いっぱいあるんだ。」



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