俺のものになってよ
やべぇ、完全に怒ってる。
不自然すぎる笑みを張りつけたまま言葉を紡ぎ続ける。
「あたしなんかに告白されて迷惑だったよね、なんかごめんね?このことはもう気にしなくていいから」
「は?ちょっと待っ」
「もう席戻るから」
そのまま背を向けた美玖に、それ以上何も言えなくて。
ほんと、何やってんだよ、俺は。
伸ばしかけた手は行き場をなくして宙を切るだけ。
隣の村井は状況が掴めないようであたふたしていた。でも、正直そんなことはどうでもよかった。
俺、もしかして今アイツを傷つけた?
告白の返事も曖昧で、おまけにもっと可愛いやつがいる。とか、そんなこと言われたら誰だって気分悪いよな。
何だかいたたまれなくなって、おもむろに席を立つ。
「わり、ちょっと俺でるわ」
「は?おい、もう授業始まるけど」
パスで、と最後に付け加えてそのまま教室をあとにした。