俺のものになってよ
◇
「急に呼び出してごめん」
「いや、別に全然いいけどよ…」
誰もいない、放課後の校舎裏。
グラウンドから聞こえる運動部の生徒達の声も、ここではどこか切り離されたように感じられる。
そこには、少し俯きがちに目を伏せる少女─────美玖と、じっとそれを見つめる俊の姿があった。
美玖どこか緊張した面持ちで静かに口を開いた。
「こないだのこと、あれちょっと感じ悪かった。先に謝っとく、ごめん」
こないだのこと、それは言わずとも俊には伝わっていた。
「いや、あれは俺が悪かったから、お前は気にすんな」
それを聞いた美玖は、ゆっくりと顔を上げその真っ直ぐな双眼を見据えた。
「俊、あたしこれで最後にする」
「…え、何が」
「あたしやっぱり俊が好き」
その声は真っ直ぐに、確実に彼の心に届く。