俺のものになってよ









「急に呼び出してごめん」


「いや、別に全然いいけどよ…」



誰もいない、放課後の校舎裏。





グラウンドから聞こえる運動部の生徒達の声も、ここではどこか切り離されたように感じられる。




そこには、少し俯きがちに目を伏せる少女─────美玖と、じっとそれを見つめる俊の姿があった。





美玖どこか緊張した面持ちで静かに口を開いた。





「こないだのこと、あれちょっと感じ悪かった。先に謝っとく、ごめん」





こないだのこと、それは言わずとも俊には伝わっていた。




「いや、あれは俺が悪かったから、お前は気にすんな」






それを聞いた美玖は、ゆっくりと顔を上げその真っ直ぐな双眼を見据えた。



「俊、あたしこれで最後にする」


「…え、何が」


「あたしやっぱり俊が好き」







その声は真っ直ぐに、確実に彼の心に届く。




< 323 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop