俺のものになってよ



「これが最後だから。俊があたしのことただの友達としか見てないってわかってるから」



「……」



「だから、これで最後。ちゃんともう一回言えてよかったよ」



柔らかく笑うその表情は、どこか切なげでそれを見つめる彼の瞳も揺れていた。



「これからはまた今まで通り友達ってことで!
そんじゃ、それだけだから」



もう一度少しだけ笑った彼女は、背を向けて歩き出そうとした。しかし、それは遮られる。





「待てよ」






少し低めのその声と、がっちりと手首を握りしめるその手に。




驚いて振り返れば、真剣な表情で見つめられる。






「俺はまだ何も言ってないけど」


「え…」



一度目を閉じ少しだけ手首を掴む手に力を込める。



彼がその目を開いた時、柔らかな風が吹き抜ける。









「俺も、美玖が好きだ」









しっかりと手を握りしめて、離さないように。


真っ直ぐに伝える。










校舎裏に映る2つの影は、確実に繋がっていた。










番外編Fin.
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