探偵助手、最後の事件
「あれ?何で思い出せないんでしょう?何で冷めた目で見ている先生しか思い出せないのでしょうか?」
「アンタの話を聞いていたが、全部『聞いただけ』の話だったな」

刑事さんは先生の側にしゃがみ、先生の背中で隠れていた黒い機械を私に見せる。

「なあ、『盗聴犯さん』?」

刑事さんの言葉に私を冷めた目で見る記憶の中の先生が同じ言葉を口にした。
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