探偵助手、最後の事件
***

『よし、誰もいない。早くアレを回収して…』
『探し物はコレですか?盗聴犯さん』

隠していた盗聴器を回収しようとする私の耳に低い声で囁かれる。
耳に手を当て声の方へ振り向くと、先生は私の盗聴器を片手でいじりながらジッと見つめていた。

『先生、出て行ったんじゃ……』
『出たふりをしただけです。…刑事さんの言う通り防犯をしっかりするべきでした。こんな私にストーカーがつくなんて…』
『ち、違います。それは先生を守る為に設置したんです。先生は危険な仕事をする時があるでしょう?先生を守る為に私は──』
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