探偵助手、最後の事件

私が必死に先生の為だと訴えても、先生は大きく溜息を吐いて、冷めた目と冷ややかな声だけで告げる。

『自分の身くらい自分で守ります。貴方に守られなくても、私には優秀な助手がいます。…貴方はまだ若い。今回のことは不問にしますから、二度と私の目の前に現れないでください』

そう言って私を外に出そうと先生が扉へ向かう。私から離れて行く先生を何とかしないと…。私は近くにあった花瓶を持って先生の頭に叩きつけた。

『ぐぁっ‼︎』

先生がうめき声を上げて倒れ、私から離れようと震える腕で前へ這い進む。嫌だ、先生逃げないで。
私は先生が動きを止めるまで何度も何度も花瓶を頭に振り下ろした。
そして、私が戻った時には先生が倒れていた。