お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
「足元、気をつけて」
自然なことのように手を差し出し、私の降車を助ける。
彼の手に触れることに一瞬躊躇したけど、出しかけた手を先にさっと掴まれていた。
ガラス張りで二重になっているエントランスを抜けると、三十メートルはある高い天井のロビーが広がる。
室内とは思えない開放的な空間に、自然と周囲を見渡し見上げてしまっていた。
待ち合いのソファーが至るところに設置されるロビーは、屋内庭園のように緑もいっぱいだ。
広いロビーを抜け、エレベーターに乗って向かった先は、ホテル最上階のフレンチレストランだった。
店先に訪れると、黒服の男性が「お待ちしておりました」と、レストランの奥へと先導していく。
案内されたのは、他の席とは別に用意された奥の特別なテーブル席だった。
高い窓の向こうには、東京の煌びやかな夜景がどこまでも見渡せる。
絶景を眼下にして「わぁ……」と感嘆のため息が出ていた。