お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
サロンを出てから、潤希さんがどこか普段より口数が少ないように感じることが、私はさっきから気掛かりだった。
きっと、思っていたよりも私の出来栄えが悪くて、言葉にもならないのだろう。
あんなに凄いサロンで手がけてもらっても、所詮は私だ。
綺麗になったといっても、潤希さんのとなりに立つには到底釣り合わない。
結婚するなんて考えていたけど、今更後悔しているのかもしれない。
五階フロアを突き当たりまで進んだドアの前に立つと、近付いただけで玄関の扉が自動で解錠する。
どうやらハンズフリーのキーシステムのようだ。
ドアを大きく開いて、潤希さんは私に先に入るよう促す。
その間も無言で、どこを見たらいいのかわからないまま、足元の大理石の床に目を落として中へと足を踏み入れた。
「あの……私っ」
この重苦しい沈黙にも耐えられなくなって、思い切って声を掛ける。
婚約を破棄するなら、潤希さんに言わせるより、私から切り出した方が……!
そんなことを思っていた時、ドアが閉まった音と同時に腕を掴まれた。