上司との結婚は致しかねます
こんな時に元カノの『誰にでも出来ることをしなくていいと家事をしなかった』発言への愕然とする気持ちや失望する気持ち。
私が唯一、彼女に勝てているかもしれないと思った部分を全面的に否定されたような気がした。
私は冷蔵庫からミネラルウオーターを取り出すとコップに入れて2階へと戻った。
欲張りになっていたのかなぁ。
ここに住まわせてもらえるだけで、本当は有り難いはずだ。
だからこそ自分から進んで家事のやれることは引き受けた。
それなのにお礼が欲しかっただなんて。
反省する気持ち半分、けれどやっぱりまだ彼を信じきれない気持ち半分で彼の枕元に歩み寄った。
「ん……藤花。」
「お水、置いておきますね。」
「うん。ありがとう。
風邪、うつるといけない。
部屋、出て行った方がいい。」
いつもの俊哉さんに戻った気がしてホッと息をつく。
「今日は仕事休んだ方がいいですよ。
電話、できます?
私がするのは、ちょっと問題あると思うので。」
「あぁ。うん。小塚にメールしとく。」
「メールなら私しましょうか?」
「あぁ。悪い。勝手に使って。
ロックとかしてないから。」
ロックしてないのはどうなんだろう。
変な心配をしつつ、部屋から出た。