犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
立ち直りはやっ!
とは思いつつ、さっき当たりを強くしてしまった分、さすがに鬼じゃない私はこれ以上キツいことを言うつもりもなくなっていた。
「別に。予定ないけど。」
無愛想なのは確かだけど、予定ないなんて、今日の夜の約束を肯定しているも同然の言葉を不本意ながら呟く。
「お、じゃあ決まりな?」
なんて嬉しそうに言う浅香を邪険にも出来ず
「好きにすれば?」
と言ってしまった。
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自宅の最寄り駅についてから、時間を確認するために画面をつけると、『18:38』と表示された
今日は少し残業をしたせいで、いつもよりも少し遅い時間になってしまっている。
いつもの道のはずなのに、ふと右上を見ると何事もないように平気な顔をして歩く浅香の姿が見えた。