犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
必死に自分を鼓舞させて、意識をはっきり保とうと頑張ってみたけど。
どうやら、今日の私は本当におかしくなってしまったらしい。
右手に伝わるの浅香の熱に、やっぱりドキドキが止まらない。
結局また、完璧なエスコートを受けて、私は彼の車に乗っている。
「ちょっと、ディナーは遠くに出ようと思って」
そんな彼の言葉にうんと頷いて、窓から見える景色をすーっと眺めていると、海が近くに見えた。
月の明かりに照らされた海は微かに煌めいていて、幻想的な雰囲気が漂っている。
「綺麗...」
私の言葉に浅香は満足そうに頬を緩めて、海辺のオシャレなお店の駐車場に車を止めた。
レンガ調の外壁に温かみのあるライトが当たっている。
周りにある木々には冬らしく、イルミネーションが施されてあった。