犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



「予約した浅香です」


スマートに店員さんと会話をして、窓際のベストポジションかと思われる席に通してもらった。


「予約してくれてたの?」

「まぁ。ここに連れてきたいと思って」


夜の海をバックにそんな風に言う浅香は本当に女の子の好みを理解しているというか。
分かっててやっているんだろうから、本当にズルい。


「すみません、料理に合う赤のボトルと、お冷を2つ頂けますか?」


彼の言葉にん?と引っかかる。
今日は車で来ているのにどうするつもりなんだろう...。
まさか、このままどこか近くのホテルをとってあるとか?



いやいやいや、さすがに...。
とは思っても、相手は女たらし上級者。
全く考えられないとは言いきれない。



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