犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
食事が終わって、少し海辺を散歩しようという彼の提案に私は賛同した。
冷たい海の夜風に当たって、ワインで少しぼんやりとする身体と浅香にクラっと揺らされる頭を冷やすべきだと思った。
だけど、そんな私の思惑も虚しく、アルコールで少しふらつく私の身体を支えるように私の腰に手を回した浅香に、また私の心は大きくドキンと音を立てる。
それもこれも、浅香に振り回されていることが悔しくて、ムキになってそんなにもお酒に強くない身体に、いつもよりも多めにアルコールを入れてしまった私のせいだ。
自業自得。
頭を冷ますために散歩に同意したのに、これでは却って逆効果だ。
周りが寒いせいで触れる身体からの熱はより明確に伝わって、私の身体も熱くなるし、
夜の冬の海は冷えるからと、ご丁寧に気遣って私の首に巻いてくれた浅香のストールは、
彼の香水と彼そのものの香りが相まって色っぽいオトコの色気をこれでもかという程感じさせる。