キミと歌う恋の歌
結城さんたちの言葉に胸を躍らせながら、軽くジョギングをして帰路についた。
トレーニングの成果もあってか、最近はもう帰り道を走るくらいでは息もあまり上がらなくなったが、今日は少し状況が違った。
薄暗く厚い雲に覆われた空と、体を動かすほどに強く吹き付ける風で街の雰囲気は寂しげだ。
天気予報は今日の夜から明日の朝にかけて台風が最も接近すると前々から報じていた。
その兆候のようだ。
商店街でもそれぞれの店で窓の補強や店の外に出した看板なんかを中に仕舞う作業をしている。
文化祭も近いし、何事もなく台風が過ぎ去ってくれればいいなと願いつつ、商店街を抜けた。
家に着いて、鍵を取り出してドアを開けると、家の中はシンと静まり返っていた。
今日の私の用事は父へ頼み事をするということだ。
そんなことを用事と呼ぶのかと思われるかもしれないが、私は覚悟が必要なのだ。
姉は明日から映画の海外ロケでしばらく家を開けるようで、母は友人との旅行で今日まで帰ってこない。
今日一日だけこの家には父親と私しかいない。
父とはもう何年も話していない。
私の存在に気づいていないように無視されている。
姉や母とは違って私と関わるのすら嫌なようだ。
それでも母に頼み事をするよりは幾分か可能性があるのではないかと考えている。
父がいつ帰ってくるのかわからないので、玄関を過ぎてすぐの階段に座って待つことにした。
手持ち無沙汰なので歌の練習でもすることにする。
レオに教わってなんとなく楽譜が読めるようになってきたので、楽譜を目で追いつつ、片手で音程を確認しながら歌う。
特にオリジナル曲は音程の高低差も激しく、リズムもコロコロと変わり、歌うのが一苦労だ。
初めて聞いた時、津神くんが楽譜を見てげっそりした顔で「趣味に走りやがって」とぼやいていた。
だけどやはり自分の書いた歌詞がのっているということもあり、一番気合が入っている。
お腹に手を置いて腹で歌うことに意識する。
結城さんたちも楽しみにしていると言ってくれた。
その期待に応えたい。
そんな新たな気持ちも生まれたことで、練習への熱意はさらに高まった。
トレーニングの成果もあってか、最近はもう帰り道を走るくらいでは息もあまり上がらなくなったが、今日は少し状況が違った。
薄暗く厚い雲に覆われた空と、体を動かすほどに強く吹き付ける風で街の雰囲気は寂しげだ。
天気予報は今日の夜から明日の朝にかけて台風が最も接近すると前々から報じていた。
その兆候のようだ。
商店街でもそれぞれの店で窓の補強や店の外に出した看板なんかを中に仕舞う作業をしている。
文化祭も近いし、何事もなく台風が過ぎ去ってくれればいいなと願いつつ、商店街を抜けた。
家に着いて、鍵を取り出してドアを開けると、家の中はシンと静まり返っていた。
今日の私の用事は父へ頼み事をするということだ。
そんなことを用事と呼ぶのかと思われるかもしれないが、私は覚悟が必要なのだ。
姉は明日から映画の海外ロケでしばらく家を開けるようで、母は友人との旅行で今日まで帰ってこない。
今日一日だけこの家には父親と私しかいない。
父とはもう何年も話していない。
私の存在に気づいていないように無視されている。
姉や母とは違って私と関わるのすら嫌なようだ。
それでも母に頼み事をするよりは幾分か可能性があるのではないかと考えている。
父がいつ帰ってくるのかわからないので、玄関を過ぎてすぐの階段に座って待つことにした。
手持ち無沙汰なので歌の練習でもすることにする。
レオに教わってなんとなく楽譜が読めるようになってきたので、楽譜を目で追いつつ、片手で音程を確認しながら歌う。
特にオリジナル曲は音程の高低差も激しく、リズムもコロコロと変わり、歌うのが一苦労だ。
初めて聞いた時、津神くんが楽譜を見てげっそりした顔で「趣味に走りやがって」とぼやいていた。
だけどやはり自分の書いた歌詞がのっているということもあり、一番気合が入っている。
お腹に手を置いて腹で歌うことに意識する。
結城さんたちも楽しみにしていると言ってくれた。
その期待に応えたい。
そんな新たな気持ちも生まれたことで、練習への熱意はさらに高まった。