彼の溺愛はわかりづらい。

「…きだから」

「え」

「だから、好きだからって言ってんだよ！わかれよ！」

「わかんないし、そんなの…」

「鈍感」



…海堂に鈍感って言われるとか…。
あ、でもようやく、しぃによく「鈍い」って言われるのかわかった気がする。

…自分が、マンガの中の天然ヒロインみたいな感じだっていうのは、すごいびっくりしたけど。



「で？」

「…とは？」

「呼ぶか呼ばないか。まぁ、呼んでくれないなら俺は帰る。課題は一人でや…」

「ま、待って！」



それは困る。それは…困る。


…そろそろ腹くくろうと思う。
…ここでなかなか言わなかったら、なんか意識してるみたいだし。



「…と、燈…？」

「…っ、」



私がそう言っただけで顔を赤くしてくる海ど…燈。くっそ、いつまで経っても慣れない気がする。

…あれ、今なら私、か…燈に勝てるんじゃないか…？
…いや、変なことするのはやめとこう。報復が怖い。しぃほどじゃないだろうけど。