彼の溺愛はわかりづらい。

「…志波に、【琴は預かった！返して欲しくば自分で助けに来い！さもないと琴にあんなことやこんなことを…。じゃーね☆】っていう連絡もらって、飛んできた」

「う、うん」

「…無事でよかった」

「…ありがとう」



…というか、なんっつー呼び出し方なんだ、しぃ。
もっと普通に呼び出せないのか。…あ、でも普通の呼び出し方で海堂がサラッと来ても、それはそれで嫌だなぁ…。


しぃの方をチラッと見てみれば、しぃはニヤッとした。なにそれこわい。



「…それ、志波にやってもらったのか」

「…うん。変でしょ」

「別に、そうでもねーよ」



それならよかったけど。

何も言ってくれなかったから、不安だった。



「海堂テメェ、「可愛い」のひとつやふたつくらい言えや」

「なんでしぃがブチ切れるの」

「元カレ思い出した」

「しぃ、それは八つ当たりだし、海堂はとばっちりじゃん」