彼の溺愛はわかりづらい。


さっきより生気を取り戻してきた海堂に軽く見送られ、ドリンクバーに水と自分の飲み物を取りに行った。

私がドリンクバーに行って頼むのは、いつも決まって冷たいキャラメルオレ。
昔からのお気に入りだ。


持ってきたコップには氷をいくつかと水を入れて、ドリンクバーに置いてあるコップを一つ手に持って、こっちには氷とキャラメルオレを入れた。


そしてそのまま、海堂の待っている席まで戻ると…

…うっわ、逆ナンされてるし。
しかも相手、めっちゃメイク濃いめのギャルだし。

…どうするべきか。

…とりあえず、もう少し近くに行って観察するか。



「相席いいですかー?」



ギャルが3人くらいいて、そのうちのギャルAが、「それ、絶対作ってるよね?」って言いたくなるような声で海堂に話しかけている。

わー。海堂、あーゆーの、一番苦手なタイプだって言ってたなー。



「すみません、連れがいるので」

「お友達ですか?お友達さんも一緒がいいですー」

「いや~、それはどうかな~…」



あからさまに困った様子の海堂と目が合って、「早く来いよ」と目で合図された気がした。

…まぁ、夏休み中アイス奢ってもらうんだし。
しゃーない、助けてやるか。




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