彼の溺愛はわかりづらい。


「関係あるんだよ。いいから、トリプルはやめとけ。その代わり、毎日サーティツーアイス一個、奢ってやっから」



これでどうだ。

さすがに、こっちの方を選ぶだろ。



「…え、マジ?…もしかして、何か私の物壊した?それとも見返り要求すんの?」



なんでそうなる。

…って、日頃の行いのせいだな、完全に。



「どれもしねーわアホ。まぁ、毎日つっても、こうして学校で作業した日の帰りとかだけな」



さすがに休日誘ってまでやるのは、どうかと思うし。

…さすがに下心見えるかな……と。
でも、もしそうじゃないなら、毎日だって会いたい。



「え、うっそ。俄然やる気出てきたんだけど。毎日作業でもいいんだけど。考えてみれば、断然授業よりラクだし楽しいし」



…しゃ。

…どさくさに紛れて、毎日放課後(ではないかもしれないけど)デートできる約束を取り付けた…!



「じゃあ、今日の放課後、…デ、デート、だな」



渋川を意識させるため、『デート』という単語を出してみたけど、逆に俺が意識してどうするんだ。




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