秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
突如出てきた尊い御方の名前にビックリした。何故、王太子殿下がそこで出てくるのか、と。
……そういえば、王太子様は、私がお兄様と王都を発つ時、お忍びで見送りに来てくださった。
そういうことだったのか。
公爵様は何かを言いづらそうに、「んんん……」と、口を噤んでいる。
だがその時間は短く、意を決したように口を開いた。
「……俺の口からはあまり余計なことは言えないが、これも率直に言おう。ラヴィ、おまえがこの公爵領へ導かれた理由とは、おまえにとあることを期待していたからだ」
「期待、ですか?」
「ああ」
明かされる事実に驚きの連続で、目を見開いたままの私に、公爵様は頷く。
そしてーー更に驚かされる話を耳にすることとなる。
「ラヴィに……アルフォードに掛けられた【魅了】を解いてもらうこと」
「み、み、魅了ぉっ?!」
はしたなく、大声を出してしまった。ツバ飛んだかもしれない。すみません。
あまりにも意外な話に、頭がごちゃごちゃになり理解が追いつかなくなった。
「わ、わ、私に【魅了】をって……!」