秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
「そんな危険なものに、アルフォード様が?!だ、誰が?そ、それに、私がそれを、【魅了】を解くなんて!……だって、私は精霊王からの神託を受けていない成人前の見習い、聖力を駆使する訓練は神託を受けてからで……!」
飛躍しすぎる公爵様の話に、頭が追い付かずあわあわと狼狽えてしまう。
そんな私の様子をじっと見つめる公爵様の顔は、至って真剣だ。
「あのなぁ、ラヴィ……」と、言いながら、公爵様は椅子に座り直す。
「おまえ……さっき、アルフォードに触った途端。アルフォードは倒れたよな?」
「は、はい」
そう、あの禍々しいてんとう虫がアルフォード様にくっついていたから、それを払ったらアルフォード様が急に倒れて……。
「……その状況。身に覚えはないか?」
「身に覚え……」
ハッと気付いた。と、同時に何故公爵様がそれをご存知なのかにも驚かされる。
私がてんとう虫を見つけて払ったのは、アルフォード様だけではない。
王太子様、あと側近の子息の方々……。