秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

……思い返してみると、そうだ。

先程の状況は、てんとう虫を払うとアルフォード様が苦しみもがいて倒れた。

王太子様の場合は、私がてんとう虫を摘んで払った後、何だか座ったまま頭を抱えていたようで、アゼリア様が必死に何度も王太子様を呼びかけていたような……。

他の令息らの場合も、立っている人は転んでいたり、王太子様同様頭を抱える人もいたような気がする。

……って、それぞれが違うが、私がてんとう虫を追い払ったことによって異変が起こったことには違いない。

私がてんとう虫を追い払ったことにより、何かが起こった。

と、考えるのが妥当だろう。



「……その様子だと、身に覚えがあるんだな?」



急に黙って考え込んだ私の様子を見て、公爵様は察したようだ。公爵様の質問に対して、私には心当たりがあるのだということを。

私は恐る恐ると頷いてから、答えた。



「……彼らに寄って集るてんとう虫を追い払いました。先程のアルフォード様にも」

「てんとう虫?……そうか。おまえにはてんとう虫が見えていたのか。俺もさっきの一部始終を見ていたが……てんとう虫は見えなかったぞ」

やはり、あのてんとう虫は他の人には見えないものなのだ。
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