秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
なのに、神託を受けてない私が、聖力を使えるどころか【魅了】を解く力があるなんて。
わからない、有り得ない事だらけで頭が真っ白になりそうだ。
いったい、何が起こっているのか。
「……ラヴィ。王都に行ってこい」
そんな中、そう話を切り出したのはルビネスタ公爵様だった。
「王都に、ですか」
「王都に行って、王太子殿下や大聖女から話を聞いてこい。【魅了】の一件の全容や、おまえの突如発現した聖力のことも。……おまえには事実を、自身のことを知る必要がある」
「で、でも」
「王都では、あのイカれた神殿批判をするお嬢さんと侯爵への糾弾が始まる。王太子殿下に【魅了】を使うなど、国家転覆罪だ。ここまで手筈が整ったのも、おまえのおかげだぞ、ラヴィ。……おまえは、国家の揺らぎを救ったんだ」
国を救った……そんな自覚はないのだけれども。
「だから、その救国した力の詳細を聞いてこい。ラヴィはあと数日で16歳。神託を受けることができるだろ」
「あ……」
そうだ、そうだ。そう言えば、この夜会が終了して間もなく。
私は16歳を迎えることになっていた。