何度だって。
「永瀬くん?? 大丈夫??」

うわ 付き合った頃 思い出してたら

ボーッとしちまった

「あ、あぁ。それよりさ 俺 担任に頼まれて

これから入院中の2週間 毎日病室来るから」

本当は頼まれてねぇんだけどな

理由もなく毎日行くって聞いたら不審に

思われるだろうし。

「え、えぇ!?そんなの悪いよ!!」

「いいんだよ。担任の頼みだし。」

「永瀬くんって優しいんだね!」

いつもと変わらない笑顔

でも 光 が向けている笑顔は

彼氏の陽斗 ではなく クラスメイトの永瀬くん

そう思うと 泣きそうになる

「永瀬くん??」

顔を覗き込まれ 慌てて後ろを向く

「あ、俺の事 苗字じゃなくていいよ」

とっさに話を変えた

「ん~。じゃあ陽斗くん??」

「それでいいよ」

本当は 今すぐにでも 陽斗 って呼んでほしいけど

陽斗 って呼び捨てで呼ぶのは

記憶が戻ってから。

絶対に 俺 を思い出させてやる。












< 10 / 13 >

この作品をシェア

pagetop