イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活
目の前の、色のついたガラス玉みたいな綺麗な瞳に、私が映っている。
見つめ合ったまま、温かく重なる手に神経が向かっていって、徐々に顔が火照り始め、耐えきれなくてそろそろと俯いた。
どうしてこんな風に手を握られているんだろう。
不思議に思いながらも、全然嫌じゃなくて、胸の奥がこそばゆい。
「あ、あの」
そのまま、どうしたらいいのかわからずためらいがちに声を発すると、突然その手がぱっと外れた。
「悪い」
驚いて顔を上げると、彼は両手を上げて小さく万歳をさせていた。
拒否のアピールというなら、大げさなほどの仕草に見えて、呆気にとられた。
そ、そんなに拒否らなくても。
だったらなんで手を握ったの、って。
だけど、その後続いた言葉で私はそもそもの前提を思い出した。
「こういうのはナシだったな」
「えっ?」
そのまま、くるりと背を向けられる。
こういうの、がどういう意味なのか、彼がどういうつもりで手を握ったのかを考える余裕はなかった。
見つめ合ったまま、温かく重なる手に神経が向かっていって、徐々に顔が火照り始め、耐えきれなくてそろそろと俯いた。
どうしてこんな風に手を握られているんだろう。
不思議に思いながらも、全然嫌じゃなくて、胸の奥がこそばゆい。
「あ、あの」
そのまま、どうしたらいいのかわからずためらいがちに声を発すると、突然その手がぱっと外れた。
「悪い」
驚いて顔を上げると、彼は両手を上げて小さく万歳をさせていた。
拒否のアピールというなら、大げさなほどの仕草に見えて、呆気にとられた。
そ、そんなに拒否らなくても。
だったらなんで手を握ったの、って。
だけど、その後続いた言葉で私はそもそもの前提を思い出した。
「こういうのはナシだったな」
「えっ?」
そのまま、くるりと背を向けられる。
こういうの、がどういう意味なのか、彼がどういうつもりで手を握ったのかを考える余裕はなかった。