イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活

「……私、ちゃんと言ってみる」
「そうですよ! 絶対その方がいいですって」


夫婦であるにもかかわらず、まずは告白からなのだということに河内さんは当然気付いていないが、前のめりに応援してくれる。
その言葉に励まされ、私は今夜、実行することにした。


思い立ったが吉日ではないけれど、時間を置けばおくほど勇気がなくなってしまう気がしたのだ。
私のことだから、あーだこーだと考えているうちに、いろんな言い訳や理由を思いついて先延ばしにしてしまうに違いない。そのうち、勇気はすり減って実現しないままに現状維持する道を選ぶ。


今までの私なら、きっとそうだ。
だから、今夜は遅くなる、という郁人からのメッセージが入った後も、私は彼の帰りを待ってリビングで待機していた。

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