イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活
「ぼっち慣れしてるから打たれ強いの。それに郁人がいるからぼっちじゃないし」
「そうか」
「だからあんまり、心配しすぎないでよ」
手の甲、手首、手のひらと、彼が順に口づける。
そんな仕草を見ていると、本当に自分がとても、大切にされているのだと感じられる。“私”なのにまるで宝物みたいに触れてくれるから。
少しずつ火照り始める身体がどうしようもなく、つい目を細めた。
「……わかった」
「え……?」
とろん、と溶け始めた頭で首を傾げる。手を優しくシーツの上に下ろされたかと思うと、指の背で私の目尻を擽った。
「その分、大切にする。何よりも」
きゅうん、とお腹の奥が切ない程に、鳴いた。同時に、深く合わせられた唇に目を閉じた。