イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活


「ちょっとトイレ行っただけ」


 パソコン画面を再起動し、ふっ、とため息を零す。気にしないつもりだったけれど、さっき囁かれていたことは結構、ダメージがあった。
 人から見て、私は郁人と並んで見劣りする。それはわかっているけど、どうやら上司に取り入ってお見合いに私が持ち込んだのだと噂されているらしい。


 ……あの上司ふたりに限って、断ったら飛ばされるとかそんなんじゃないし。お茶を濁して帰りましょうって言ったのに、結婚を提案してきたのは郁人の方だ。


 女って本当、集団になると口が悪くなるし噂好きだ。
 ただ、断ろうと思えば本当にできたわけで、断らなかったことを図々しいと言われるのはわかりきってるので反論するだけ無駄だと諦めている。

 そういえば、彼は私が相手なら結婚してもいいと思って見合いを受けたと言っていたけれど、一体どういう経緯でふたりの上司の間で私たちの名前が挙がったのだろう?


 昼休み、少し気になった私は久しぶりに経理課を訪れ、亀爺を呼び止めた。


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