イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活
***
本当に一緒に帰るのなら、できれば社外で待ち合わせにすれば良かった、と後悔している。社内を連れ立って歩くのはやっぱり恥ずかしいものだった。
外に出て社内の人間の目から逃れて、やっとほっと気が抜ける。定時なのでまだ外は明るさが残っていた。
「あの、夕ご飯は何が食べたい? スーパーに寄って行こうかと思って……」
「あー……そうだな」
ぽくぽくぽく……と、数秒の時間が経過する。なぜか徐々に、駅に向かう足取りがゆっくりなものになる。
「あの、特に希望がないのなら、手早く作れそうなメニューを考えるけど」
「いや。外で食べないか? たまにはいいだろう」
「え、でも。いつも忙しそうだし、早く帰って休みたいんじゃ?」
別に、外食が嫌なわけではないけれど、自炊をしている私を気遣ってくれたのなら申し訳ない。主婦の仕事だし、料理は嫌いじゃないのだけれど。
「お好み焼きが食いたい」
「あ、そうなの」
案外はっきり、食べたいものが決まっているようだった。
本当に一緒に帰るのなら、できれば社外で待ち合わせにすれば良かった、と後悔している。社内を連れ立って歩くのはやっぱり恥ずかしいものだった。
外に出て社内の人間の目から逃れて、やっとほっと気が抜ける。定時なのでまだ外は明るさが残っていた。
「あの、夕ご飯は何が食べたい? スーパーに寄って行こうかと思って……」
「あー……そうだな」
ぽくぽくぽく……と、数秒の時間が経過する。なぜか徐々に、駅に向かう足取りがゆっくりなものになる。
「あの、特に希望がないのなら、手早く作れそうなメニューを考えるけど」
「いや。外で食べないか? たまにはいいだろう」
「え、でも。いつも忙しそうだし、早く帰って休みたいんじゃ?」
別に、外食が嫌なわけではないけれど、自炊をしている私を気遣ってくれたのなら申し訳ない。主婦の仕事だし、料理は嫌いじゃないのだけれど。
「お好み焼きが食いたい」
「あ、そうなの」
案外はっきり、食べたいものが決まっているようだった。