洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
私はそっと自分の耳たぶに触れた。

指先が、丸い石に触れる。
蒼いピアス。 
暗い蒼。

指先で石を外す。
そして、

ポイっと傭兵たちのそばに落とした。

「『ルーシア』」

名を呼ぶ。
私のかわいいお人形。

「食べて」

全部。
一つ残らず。

骨一つ。
髪の毛一本。
残さず。

「全部食べて」


ぞろり、と。

暗い蒼が膨れ上がった。


私は魔王軍四天王だ。
正解には戻るつもりがないから元、になるけれど。
四天王の地位に上り詰めるためには、研究や開発、改良という裏方の仕事だけでは足りなかった。
だけど、戦場に私の仕事はない。
指揮をとるだけの頭はなく、チマチマとした戦いができるタイプでもない。
私にできるのは周りへのサポート的役割と大規模殲滅魔法。


だから私は私の代わりを作った。

私の代わりに戦場で仕事をしてくれるお人形。

それは『てれび』や『らのべ』の中で見る『すらいむ』に似ている。
本当はどちらかというとホムンクルスなんだけど。

暗い蒼は3つに分裂すると、瞬きを一つする間に傭兵たちの足下にどろりとした水溜まりを作り、呑み込んだ。
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