洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
「まずはー、まずは、常識?」

首を傾げつつも、私はそう答える。
うん。
人間の中に混じって暮らしていくのなら人間の常識は知っておくべきだろう。

「……常識って」

クルドは何故かこめかみを押さえている。
私、何か変なこと言った。

「一つ言っていいか?」
「なに?」

クルドはこめかみを押さえたまま私と目を合わせた。
私はドキッとしてしまう。
考えてみれば男の人とこんな風に目を合わせたことってあんまりないかも。
や、ガキだから!
私、しっかりして!
相手は年下。
ガキんちょ!!

目を合わされただけでこんなんなるとかって私ってもしやチョロイン?

もしくはクルドが魔性なのだろうか。
魔性の男?恐ろしい。
ガキんちょのくせに。

「今ここで俺が人間の常識を教えたとして」
「うん?」
「たぶんユナは一人だと絶対非常識なことすると思う」

なんだと?

「それはクルドの教え方が悪いん」
「じゃなくて。聞いただけと実際のとこは違うっていうことだ」

私の言に被せたクルドは、ちょっと考え込むように眉をひそめてから、ため息をついて言った。

「提案があるんだが」





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