洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
検問やらあるかと思ったけど、それもなくあっさりと私たちは村に入った。

クルドが言うには人間の村は大抵同じ造りをしているらしいのだけど、入口を入ってすぐに宿屋や店が並び、西側には畑が並ぶ。中心から北が家屋で東には教会と村の顔役や中央から出向している役人や兵士の屋敷があるらしい。

私の関心は断然村の南側、入口付近。
旅人向けの宿屋やら店が建ち並ぶ区域だ。

「……クルド、クルド!露店だよ!露店!!」

ほんわかいい匂いが漂っている。
ボロい所々破れた布の屋根が張り出した下に木箱に並べられた果物に野菜。
肉の入った饅頭らしきものもあるし、芋を焼いた屋台もある。

別の場所に目を移せばガラクタみたいな小物を布の上に並べた店に少々色褪せた布を衝立にいっぱい掛けた店。

「ここはわりと旅の人間とか商人が通るんだろう。だからああいった露店が多いんだな」 

御者席を下りて歩いて馬を引きながらクルドも辺りを見回していた。

「私も歩きたい!」

馬車の窓から覗いているだけなんてもったいない。
そう思って私は訴えたけど、クルドはこちらを振り向いて苦笑してみせた。

そして一言。 

「ダメ」

と私の望みを笑顔でぶった切った。







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