洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
おのれ。

私はクルドよりも年上だ。
しかも人間よりも魔力の強い魔族で、しかもその中でも高位に位置する魔王車四天王(元)。

はっきりいっとクルドなんつーガキは私がその気になったら速攻でばったんきゅーである。
『ルーシア』に言えば叫び声を上げる間もなくドロドロに溶けて吸収される運命である。

なのに。
なのに、いったいどうということか。

最初の数日はまだそうでもなかった。
クルドは私を警戒してもいたし、一応は命の恩人として立ててくれていたはず。

それが日が経つに連れて、どんどん扱いが軽くなっている気がする。
ついでに子供扱いも。

やはりここはどちらが上かなんとしてもわからせなくてはなるまい。
かといってクルドと旅をしている間に、私自身このまま私一人で人間に溶け込んで生活するのは無理があると自覚し始めている。

物の相場もわからないし、人間との付き合い方もわからない。挨拶一つ知らなかったのだ。

人間は朝は「おはよう」と言って昼は「こんにちは」夜は「こんばんは」と時間によって挨拶の仕方が違う。
挨拶は人間の生活の中の基本であるらしく、それがちゃんとできないのでは人間の社会では不適合者というものになるらしい。

そういえば『てれび』の中でも同じ言葉を聞いたと思う。人間の社会というのは世界が変わっても同じように挨拶するものなのか。
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