洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
「キレイな子を拾ってくるのよ?」
昔、どのような基準で使用人を雇うのか聞いてみるとあっさりとそう言っていたのを思い出す。
「ミサは髪がキレイだしマーヤは瞳の色がキレイ。セバスはおじさんだけど耳の上にあるくるんと丸まった角がスッゴい可愛いのよ!」
ユナは知らない。
ユナが魔王第一主義だから、使用人たちも皆そうであるフリをしていると。
いざというときに魔王とユナ、どちらを選ぶか、ユナは知らない。
何度目だったか、この屋敷を訪れた時にユナが席を外した時だ。
「わたくしはこのお屋敷の前はフェムト卿の家令をしておりました」
突然セバスがそんな話を始めた。
フェムト卿、それは魔王の機嫌を損ねて没落した貴族である。
「魔王様の怒りを買った家に雇われていた者など普通ならどなたも雇いません。ここはそういう国ですから」
本人や家族だけでなく、ただ雇われていただけの使用人であっても、その者に関わっていた以上罪人も同然であると。
「ですがユナ様は『そんなの気にしすぎよ。だってあなたが何か悪いことをしたわけでもないでしょう?』と笑ってわたくしに仕事と、居場所を下さいました。」
この屋敷に雇われている者は皆同じような者だと。
セバスはそう言った。